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749.『唯信鈔』、『唯信鈔文意』を読む(34):無碍の一道(7)

ドクダミ2  ドクダミ (2)s

 久しぶりに『唯信鈔文意』に戻ってきました。今回は、親鸞聖人が取り上げられた2番目の偈頌の第6句です。
 
 彼仏因中立弘誓 聞名念我総迎来
 不簡貧窮将富貴 不簡下智与高才
 不簡多聞持浄戒 不簡破戒罪根深
 但使回心多念仏 能令瓦礫変成金

 不簡破戒罪根深 (破戒と罪根の深きとを簡(えら)ばず)

 聖人の御文と現代語訳を記します。

 「不簡破戒罪根深」といふは、「破戒」は上にあらはすところのよろづの道俗の戒品(かいほん)をうけて、やぶりすてたるもの、これらをきらはずとなり。「罪根深」といふは、十悪・五逆の悪人、謗法(ほうぼう)・闡提(せんだい)の罪人、おほよそ善根(ぜんごん)すくなきもの、悪業(あくごう)おほきもの、善心あさきもの、悪心ふかきもの、かやうのあさましきさまざまの罪ふかきひとを「深」といふ、ふかしといふことばなり。すべてよきひと、あしきひと、たふときひと、いやしきひとを、無碍光仏(むげこうぶつ)の御ちかひにはきらはずえらばれずこれをみちびきたまふをさきとしむねとするなり。真実信心をうれば実報土(じつぽうど)に生るとをしへたまへるを、浄土真宗の正意とすとしるべしとなり。「総迎来」は、すべてみな浄土へむかへ率(い)て、かへらしむといへるなり。 

 (「不簡破戒罪根深」というのは、「破戒」とは、これまでに示したような出家のものや在家のものの守るべきさまざまな戒律を受けていながら、それを破り、捨ててしまったもののことであり、このようなものを嫌わないというのである。「罪根深」というのは、十悪・五逆の罪を犯した悪人、仏法を謗(そし)るものや一闡提(いっせんだい)などの罪人のことであり、総じて善根の少ないもの、悪い行いの多いもの、善い心が浅いもの、悪い心が深いもの、このような嘆かわしいさまざまな罪深い人のことを「深」といっているのであり、すなわち「深」は「ふかい」という言葉である。総じて、善い人も、悪い人も、身分の高い人も、低い人も、無礙光仏(むげこうぶつ)の誓願においては、嫌うことなく選び捨てることなく、これらの人々をみなお導きになることを第一とし、根本とするのである。他力真実の信心を得れば必ず真実の浄土に生まれると教えてくださっていることこそ、浄土真実の教えの本意であると知らなければならないというのである。「総迎来」とは、すべてのものをみな浄土へ迎えて連れて行き、法性の都にかえらせるといっているのである。)

 この第6句について聖人が記された御文は、二つの部分に分けられるとされています。

 前半の「ふかしといふことばなり」までの部分で、聖人は、阿弥陀さまのお救いは、破戒の人も、罪根深いひとも嫌わずにすべての人々に向けられていると説かれます。
 前回の部分で、聖人は教えを聞き信じる多聞の人も、戒律を正しく守る人も、そのことではなく、他力の信心をいただくことによって阿弥陀さまのお浄土に救われることを示されました。今回の部分では、さらに進んで、一旦受けていた戒律を破り捨てる人や大罪を犯した人、仏法を謗る人、正法を信じずさとりを求める心もない人、など罪業の深い人でも、阿弥陀さまはお捨てになることはない、とされます。

 そして、「すべてよきひと、」以下の部分で、聖人は第2句から今回の第6句までについて、改めてその総意をお伝えいただいています。人の善悪、貴賤を問うことなく、阿弥陀さまのお救いの力は誰一人残すことなく私たち一人一人に向けられているということを再度記しておられます。

 これまでの4つの句頭に使われている「不簡」という言葉が気になっていました。「えらばず」と読まれるのですが、「簡」を「えらぶ」と読むことを今回初めて知りました。「簡」の字は、普通だと「簡易」や「書簡」の「簡」のイメージです。
 手元の漢和辞典で「簡」をひくと、「ふだ」、「てがみ」と「えらぶ」の読み方が記されていました。竹(たけかんむり)が意味を表し、間(閒:かん)が発音と「隙間がある」という意味を表すのだそうです。さらに、「揀(かん)」に通じて「えらぶ」という意味にも用いられるようになったということが説明されていました。

(写真は、ドクダミの花です)

 ドクダミもちょうど今頃咲いています。独特の香り(臭気)がありますが、昔これを焼いて吹き出物などの「治療」に使っていた記憶があります。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)
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