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『唯信鈔』、『唯信鈔文意』を読む(28):名号の讃嘆(17)

20210402リビングストンデージー  20210402リビングストンデージー2

 前回、聖覚法印が、『唯信鈔』の中で法蔵菩薩がご本願をお立てになった経緯を記された部分をこのブログでは端折ってしまったと記しました。もう一度法印が記された御文を読んでおりましたが、やはりご一緒にこの部分を読みなおしたいと考え、もう一度『唯信鈔』の最初の段に戻ってきました。

 『唯信鈔』の該当する部分の御文と現代語訳です。現代語訳は、加藤弁三郎氏の『唯信鈔文意』所載の二橋進氏の訳を参考にさせていただいています。

  そもそも名号をとなふるは、なにのゆゑにかの仏の本願にかなふとはいふぞといふに、そのことのおこりは、阿弥陀如来いまだ仏に成りたまはざりしむかし、法蔵比丘と申しき。そのときに仏ましましき、世自在王仏と申しき。法蔵比丘すでに菩提心をおこして、清浄の国土をしめて衆生を利益せんとおぼして、仏のみもとへまゐりて申したまはく、「われすでに菩提心をおこして清浄の仏国をまうけんとおもふ。 願はくは、仏、わがためにひろく仏国を荘厳する無量の妙行ををしへたまへ」と。そのときに世自在王仏、二百一十億の諸仏の浄土の人・天の善悪、国土の粗妙をことごとくこれを説き、ことごとくこれを現じたまひき。 

(そもそも南無阿弥陀仏の名号を称えるのは、阿弥陀仏の本願にかなうといわれるが、それはなぜなのでしょうか。
 そのことのおこりは、阿弥陀仏がいまだ仏になられる以前の昔、法蔵比丘ともうされました。その時、世自在王ともうされる仏がおられました。法蔵比丘はすでにさとりを求める心をおこし、この上なく清らかな国土を得て人々の迷いと苦しみのもとを除きたいと思われたのです。
  そこで世自在王仏のみもとにまいって申し上げました。「私はすでにさとりを求めて、仏道を修めるこころをおこし、穢れのない清らかな仏の国を建立しようと思います。願わくは、私のために、仏の国を広く荘厳することのできるよう、限りない正しい行をおしえてください。」この願いを聞かれた世自在王仏は、二百十億の諸仏の浄土の人びとや天人たち、またその国土の良し悪しのすべてを説き、すべてを現出してくださいました。)

 因位にあった法蔵菩薩がなぜ人々を救う願をたてたいと思われ、どのようにしてそれを成就され、どのように私たちを救っていただいているのか、を「仏願の生起本末」と申しますが、聖覚法印はそのことをこの段で私たちに伝えいてただいています。

 『無量寿経』には、詳しくその経緯が記されています。
 最初に法蔵菩薩は、世自在王仏のお徳を讃える偈(「讃仏偈」)を称えられます。次いで、世自在王仏に、速やかにさとりを開き、人々を迷いから救う道を教えてもらいたいと述べられますが、世自在王仏は、どのような修行をして国土をととのえるのかはそなた自身で知るべきだろう、とその望みを断られます。これに対して、法蔵菩薩は、それは広く、深いものですから、どうか私のためにお説きいただきたい、と重ねて申し上げられます。そのように、法蔵菩薩の志が尊く深いものであることを知られた世自在王仏は、この段に記されていますように、法蔵菩薩に二百十憶の様々な仏の国についてその人天、国土の良し悪しを見せられることになりました。

 親鸞聖人は『正信偈』の最初の部分で次のように記されています。
  法蔵菩薩因位時 在世自在王仏所 覩見諸仏浄土因 国土人天之善悪
 (法蔵菩薩の因位のときに、世自在王仏のみもとで、仏がたの浄土の成り立ちや、その国土の人間や神々の良し悪しをご覧になって)

 この部分、あるいはそれに続く御文を読んでおりますと、聖覚法印が言葉を尽くして法蔵菩薩が立てられた誓願を讃え喜ばれ、またそうするようにと私たちに呼びかけておられることを感じます。そして、その法印の思いを親鸞聖人が受け継がれ、人々に『唯信鈔』を読むようにと何度も呼びかけられたことも、遠く時代を隔ててなお実感することができます。

 今回気づいたことがありました。
 それは、「荘厳」という言葉です。法蔵菩薩は世自在王仏に「ひろく仏国を荘厳する無量の妙行ををしへたまへ」と願われたと記されています。
 この「荘厳」ということばを『浄土真宗辞典』にたずねてみますと、「うるわしく身や国土を飾ること。身・口・意の三業をととのえて清浄にすること」と「仏壇や寺院の本堂などにおいて尊前を装飾すること」の2つの意味が記されています。
 私は「荘厳」というと、まず2番目の意味を思い浮かべてしまうのですが、元々は「身や国土を清浄に整える」という意味だということに気づいた次第です。
 『阿弥陀経』には、「成就如是 功徳荘厳」という言葉が何度も出てきますが、これも目に見える美しさだけではなく、すべてが整った清浄な状態を示しているのだと、再度確認した思いです。

(写真は、リビングストンデージーです。)

 2月中旬にご門徒さん(昨年ご紹介した方です)から苗をたくさんいただきました。ところがその直後に大雪となって、苗は深い雪の中に埋もれてしまいました。その後に苗を植木鉢などに植え替えたのですが、育ってくれるだろうか心配しておりました。しかし、このようにきれいに咲いてくれ、その生命力には感心しました。
 ネットの情報によりますと、花弁のように見えるカラフルな部分は蕚片が変化したものだそうで、中心部の白とのコントラストが鮮やかです。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)
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