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730.『唯信鈔』、『唯信鈔文意』を読む(27):無碍の一道(3)

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  今回から、聖覚法印の2番目の偈頌について、親鸞聖人が『唯信鈔文意』で説かれた内容を学びます。最初に聖覚法印が取り上げられた2番目の偈頌を示します。太字で示した第1句が本日学ぶ句です。

  彼仏因中立弘誓 聞名念我総迎来
  不簡貧窮将富貴 不簡下智与高才
  不簡多聞持浄戒 不簡破戒罪根深
 この第1句について親鸞聖人が記された御文とその現代語訳は次の通りです。

 「彼仏因中立弘誓(ひぶついんちゅうりゅうぐぜい)」、このこころは、「彼」はかのといふ。「仏」は阿弥陀仏なり。「因中」は法蔵菩薩と申ししときなり。「立弘誓」は、「立」はたつといふ、なるといふ、「弘」はひろしといふ、ひろまるといふ、「誓」はちかひといふなり。法蔵比丘(ほうぞうびく)、超世(ちょうせ)無上のちかひをおこして、ひろくひろめたまふと申すなり。
 超世は余(よ)の仏の御ちかひにすぐれたまへりとなり。超は、こえたりといふは、うへなしと申すなり。如来の弘誓をおこしたまへるやうは、この『唯信鈔』にくはしくあらはれたり。


(「彼仏因中立弘誓」について、この文の意味は、「彼」は「かの」ということであり、「仏」は阿弥陀仏のことである。「因中」というのは、法蔵菩薩であった時ということである。「立弘誓」というのは、「立」は「たてる」ということであり、成立するということである。「弘」は「ひろい」ということであり、「ひろまる」ということである。「誓」は「ちかい」ということである。法蔵菩薩が、この上ない超世の誓いをおこして、広くおひろめになるということである。「超世」とは、他の仏がたのお誓いよりすぐれておいでになるということである。「超」は「こえている」ということであり、それより上がないということである。如来が弘誓をおこされた様子は、この『唯信鈔』に詳しく示されている。)

 親鸞聖人は、聖覚法印が取り上げられたこの偈頌について懇切丁寧に私たちに説いていただいています。

 聖人は、「立弘誓」の「立」という語に対して、「たつ」と「なる」の二つの意味があるとされます。私たちは「立つ」というと「建てる」という意味にとりますが、聖人はそれと同時に「成る」の意味もあるのだと示されています。
 普賢晃壽師は「建立」の2文字を「初起を建と曰い、終成を立と為す」とする一文を紹介し、「家をたてはじめるところが「建」の字のこころであり、家をたておわって成就したところが「立」のこころである。」とされ、「立」を「なる」と訓じられ本願が成就されたとされる聖人の思いを受け止めておられます。

 聖人は、次いで「弘」についても、「ひろし」と「ひろまる」の二つの意味を示されています。梅原真隆師はこれを「広弘」と「弘通」の心だとされます。あらゆる衆生を一人として漏らさないという「ひろし」であり、ご本願の救いが遍く遠く「ひろまる」であるとされます。
 
 そして、聖人は法蔵菩薩が立てられた誓いは「超世無上のちかい」だとされ、重ねてこの「超世」について「他の仏方の誓いよりすぐれていて、それよりも上がない」という意味だとお伝えいただきます。
 「重誓偈」の最初の「我建超世願(われ超世の願を建つ)」という句も、法蔵菩薩がこの最上無比の誓いを「立てられた」ことを示されたものです。

 聖人は、続けて「如来が弘誓をおこされた様子は、この『唯信鈔』に詳しく示されている。」と記されます。これは、聖覚法印が一つ前の最初の段で法蔵菩薩がこの願を成就されたことを詳しく述べられた部分に当たります。

 このブログでは、『唯信鈔』のこの最初の段がかなりの長文だったこともあって、この「如来が弘誓をおこされた様子」については「法印は、法蔵菩薩があらゆる衆生を救いたいと願われ、五劫という長い時間思惟を重ねられた所以を述べられます。」とだけ記して終わりにしておりました。実際は、聖人が仰っておられる通り、聖覚法印は言葉を尽くして詳しく説いておられます。
 梅原真隆師師によれば、親鸞聖人は、この『唯信鈔』の本願に関する釈義を尊重され、『尊号真像銘文』にも「この本願のやうは唯信鈔によくよくみえたり」と記しておられることを紹介しておられます。

 今回このようなことを見返して気づいたのですが、最初の段では『唯信鈔』で聖覚法印が説かれた内容をあまりに簡略化して取り上げてしまっていました。これからは、『唯信鈔』について御文全体を学ぶことにしたいと思っております。

 (写真は、リキュウバイです。)

 リキュウバイ(利休梅)は、中国原産の植物で、今頃白い花を咲かせます。名前は茶花として使われることに由来しているそうです。 右は花後の実です。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)

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