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728.『唯信鈔』、『唯信鈔文意』を読む(26):無碍の一道(2)

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 本日の部分は、『唯信鈔』の中で聖覚法印が取り上げられた二つ目の偈頌です。

 「彼仏因中立弘誓 聞名念我総迎来
 不簡貧窮将富貴 不簡下智与高才
 不簡多聞持浄戒 不簡破戒罪根深
 但使回心多念仏 能令瓦礫変成金」
 このこころか。これを念仏往生とす。 

 (それは、「かの仏の因中(いんちゅう)に弘誓(ぐぜい)を立てたまへり。名(みな)を聞きてわれを念ぜばすべて迎へ来(かえ)らしめん。貧窮(びんぐ)と富貴(ふき)とを簡(えら)ばず、下智(げち)と高才(こうざい)とを簡ばず、多聞(たもん)と浄戒(じょうかい)を持(たも)てるとを簡ばず、破戒と罪根(ざいこん)の深きとを簡ばず。ただ回心(えしん)して多く念仏せしむれば、よく瓦礫(がりゃく)をして変じて金(こがね)と成さんがごとくせしむ」といわれる心でありましょうか。これを念仏往生というのです。)

 この8句の偈文を現代語訳すると、次のようになります。(『教行信証』の行文類二の訳によります)
 (阿弥陀仏は因位のとき、弘誓をおたてになった。「名号を聞いて、わたしを念じるものをすべて迎えとろう」と。貧しいものと富めるものをわけへだてることなく、知識や才能の高下によってわけへだてることなく、博学多聞のものも清らかな戒律をたもつものもわけへだてることなく、戒律を破ったものも罪深いものもわけへだてることなく、ただ信を得て念仏すれば、瓦や小石を黄金に変えるようにしてお救いくださるのである。)

 聖覚法印がここに引用されている8句の偈頌は、慈愍(じみん)三蔵(680~748年)が記された偈文です。慈愍三蔵は本名を慧日(えにち)といわれる中国の唐代の僧で、インドに渡り仏教を学ばれました。帰国の後は中国で念仏の教えをひろめ、玄宗皇帝より慈愍三蔵の号を与えられた方です。

 今回の8句の偈頌も前の最初の偈頌が収載されている法照禅師の『五会法事讃』に収められているもので、その一部なのだそうです。遡れば、法然聖人が『選択集』でこの8句を取り上げられ、聖覚法印もこの『唯信鈔』で、親鸞聖人も『教行信証』で、この8句を伝えられました。このように、法然聖人の教えが聖覚法印を通じて親鸞聖人に伝えられたということを、この8句の偈頌も示しているということができます。
 
 この8句については、次回以降で親鸞聖人の『唯信鈔文意』に従って学んでいきたいと思います。

(図は、ユキヤナギの花です。)

 ちょうど今頃咲いています。漢字で書くと「雪柳」、白い花を雪に、枝ぶりを柳に見立てた優雅な名前です。日本原産の植物だということです。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)

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