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684.『唯信鈔』、『唯信鈔文意』を読む(11):名号の讃嘆(3)

法照禅師       五台山2 

  前々回と前回で、聖覚法印が『唯信鈔』に記された御文について学んできましたが、今回から、親鸞聖人が著された『唯信鈔文意』について学びます。聖人が、聖覚法印の『唯信鈔』から採り上げられた最初の偈頌をもう一度記します。
  如来尊号甚分明 十方世界普流行
  但有称名皆得往 観音勢至自来迎
 
 この4句の偈頌は、法照(ほっしょう)禅師という方が著された『五会法事讃』に記された言葉です。
 法照禅師は、8~9世紀(中国の唐代)の方で、五会念仏(ごえねんぶつ)を創唱し広めた方だとされます。この五会念仏といいますのは、南無阿弥陀仏(阿弥陀仏)の六字を音程や速さを変えて称える5通りの称え方のことを指します。
 『浄土真宗辞典』によりますと、『五会法事讃』は、この「五会念仏の行儀作法を述べ、39種の讃文を集めたもの」です。

 後に天台の第3代座主に就かれる慈覚大師(円仁)が入唐しこの『五会法事讃』を持ち帰り、五会念仏も日本に伝えられたとされています。
 法然聖人やその門弟方(聖覚法印も含まれます)も『五会法事讃』を大切にされました。親鸞聖人も『教行信証』に引用され、また専修寺に伝わる親鸞聖人が書写された『唯信鈔』(平仮名本)の紙裏にこの『五会法事讃』の要文が書写されているのだそうです。そのように、親鸞聖人もこの『五会法事讃』を重んじておられたことが分かります。

 聖人は『唯信鈔文意』で、この4句について1句ずつその内容をお説きになります。その第1句です。
 (以下、最初に聖人が『唯信鈔文意』に記された御文を太字で示し、次いで現代語訳(普賢晃壽師によります)を続けることにします。)

  「如来尊号甚分明」(にょらいそんごうじんぶんみょう:如来の尊号は、はなはだ分明なり)、このこころは、「如来」と申すは無礙光如来なり。「尊号」と申すは南無阿弥陀仏なり。
  (「如来尊号甚分明」について、この文の意味は、「如来」というのは無礙光如来である。「尊号」というのは南無阿弥陀仏である。) 

 この部分について、普賢師は『聖典セミナー 唯信鈔文意』で、「まず「如来尊号」を宗祖は解釈され、「如来」は諸仏の通号であるから、唯今は無礙光如来のことであることを明確化されているのである。そして「尊号」は、この如来の名である南無阿弥陀仏の名号であることを説示されている。」と記しておられます。
 
 この部分、(いきなり)少し分かりにくく感じるのですが、聖人は、如来というのは多くの如来の中から無礙光如来(十方世界を照らし尽くす妨げられない光明を備えた如来)のことだと明確にされます。そして無礙光如来の尊くすぐれた尊号は南無阿弥陀仏という名号(あらゆる衆生を救わずにはおれないと誓われた)だとされていると理解できます。
 親鸞聖人は、この最初の部分で、聖覚法印が無礙光如来の姿とそのお働きについて讃嘆されている、と示していただいていますす。

(図の左は法照禅師、右は五台山です。いずれもネットから借用しています。)

 西暦822年に示寂されたと伝えられる法照禅師は、善導大師から約100年後の方ですが、後善導(善導大師の再誕)と讃えられた方でした。
 五台山は中国の東北部にある仏教の聖地で、中国四大聖地の一つとされます。最も盛んな時期には300ものお寺があったそうで、法照禅師もこの地で教えを説かれたと伝えられています。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)

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