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674.『唯信鈔』、『唯信鈔文意』を読む(9):名号の讃嘆

  ダンギク4s     20200914ダンギク 

  「『唯信鈔』、『唯信鈔文意』を読む」は今回から両書の内容について学びます。

 親鸞聖人は、聖覚法印が『唯信鈔』に記された偈頌(言葉)を取り上げて、その意味をお説きになっておられます。従って、関連する御文は、親鸞聖人が取り上げられた偈頌とそれが記された聖覚法印の『唯信鈔』の該当する部分、および『唯信鈔文意』において聖人がその偈頌について分かりやすく説かれた文章の3つがあることになります。

 このブログでその3つをどのように取り扱ったらよいのだろうか、と考えたのですが、まずは次の要領で進めたいと考えております。(うまくいかなかった場合は、途中でやり方を変更しましょう)
 ・最初に、親鸞聖人が取り上げられた偈頌を記します
 ・次いで、聖覚法印がその偈頌を記された『唯信鈔』の該当する部分について学びます
 ・そして、親鸞聖人が『唯信鈔文意』でその偈頌について私たちに説かれた内容について学びます

 本日はその第1回目になります。親鸞聖人が最初に取り上げられた偈頌です。

 如来尊号甚分明 十方世界普流行
 但有称名皆得往 観音勢至自来迎

 (如来の尊号は、はなはだ分明(ぶんみょう)なり。十方世界にあまねく流行(るぎょう)せしむ。
  ただ名を称するのみありて、みな往くことを得(う)。観音・勢至おのづから来たり迎へたまふ)

 この偈頌を記された聖覚法印の御文は次のような文章で始まっています。(これが、『唯信鈔』の最初の御文でもあります)

 「それ生死(しょうじ)をはなれ仏道をならんとおもはんに、二つのみちあるべし。一つには聖道門、二つには浄土門なり。」
 (生死の迷いから離れて仏道を修めようと思えば、二つの道があります。その第一は聖道門であり、第二は浄土門です。)

 これに引き続き、聖道門について次のように記されます。
 「聖道門といふは、この娑婆世界にありて、行をたて功をつみて、今生(こんじょう)に証(しょう)をとらんとはげむなり。」
 (聖道門というのは、この娑婆の世にあって、自らの力を頼って修行し、功徳を積んで、この世でさとりをひらこうと励むことです。)
 これに引き続き聖道門の修し難いことを述べられた後に、浄土門については次のように記されます。
 「二つに浄土門といふは、今生の行業(ぎょうごう)を回向(えこう)して、順次生(じゅんじせい)に浄土に生まれて、浄土にして菩薩の行を具足して仏に成らんと願ずるなり。この門は末代の機にかなへり。まことにたくみなりとす。」
 (次に、浄土門というのは、この世での行を他に振り向けて、次に浄土に生まれ菩薩の行をそなえてさとりをひらくことを願うものです。浄土門は末法の世の人びとにかなうもので、まことにたくみなものです。)

 このように『唯信鈔』において聖覚法印が最初に述べられたのは、聖道門、浄土門のいわゆる聖浄二門についてです。
 法印は、聖道門について語られる前半の部分で、この世でさとりを得ようとすることは「まことに教の本意しかるべけれども」と、この道は仏の教えにかなっている、とされながらも、「まことにこれ大聖(だいしょう)を去ることとほきにより、理ふかく、さとりすくなきがいたすところか。」(お釈迦さまの時代から遠く隔たったことにより、み教えの深さを理解できなくなっているからか)末法の現在ではそれは不可能なのだとされます。
 法印は、一方、浄土門は、この末法の時代の私たちのために整えられた法門であり、誠に「たくみ」なものだと讃嘆されます。

 このように、聖覚法印は、『唯信鈔』を「聖浄二門」から始められています。それは、師の法然聖人が著された『選択本願念仏集』の章建てに従われたもので、法印は、この書により法然聖人の教えをわかりやすく伝えようとされたことが伺えます。それはまた、親鸞聖人がお弟子さん方(私たち)にこの書を熟読するように何度も勧められた所以でもあります。

 今後の記事で、『唯信鈔』の現代語訳は、ほかに訳文を見つけることができなかったこともあり、『親鸞に学ぶ仏教の極意 唯信鈔文意』(加藤辨三郎氏著 二橋進氏訳 PHP研究所刊)を参考にさせていただきたいと思っています。
 ただ、上記の「この門は末代の機にかなへり。」の部分の訳については同書の訳に少し疑問を持ちました。
 同書の訳は「浄土門は後の世の人びとの願いをかなえさせます」とされているのですが、「浄土門は末法の世の人びとにかなう(適合する)」という意味ではないかと思い、その部分は修正しました。これからも、御文をしっかりと読み込んでいきたいと思います。

(写真は、ダンギクです。段々状に咲くユニークな花を持っています)
 
 あまり見かけない花ですが、ちょうど今頃咲いています。
 左は、寺から伊佐路に行く途中で咲いています。ここでは毎年咲きます。
 右は、2012年に「きららオーガニックライフ」で撮影したものです。この施設は2018年に閉められましたが、いろんな植物が栽培されていて楽しい場所でした。

 段々状に下から順番に咲くところから「段菊」という名前ですが、菊といってもキク科ではなく、シソ科(従来の分類体系ではクマツヅラ科)に分類されています。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)
 
 
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