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570.歴史を訪ねる(20):山口「鷺の舞」

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 以前記事を載せましたように、「大内氏歴史文化研究会」の行事として「京都の祇園祭と山口の祇園祭」という講演会がありました。その同じ日7月20日の夕刻に祇園祭の「鷺の舞」が行われ、見学することができましたのでその様子と感じたことを記しておきます。
 当日と9月5日に、その行事を取り仕切っておられる頭屋(とうや)の方二人にお話しをお聞きし、600年以上前から伝わる行事を受け継いでおられるご苦労も伺うことができました。

 鷺の舞は祇園祭の初日に、山口市の堂の前町にある万福寺というお寺の境内で舞われるところからスタートとなります。

 この万福寺には大内義隆公が奉納されたと伝えられる黑地蔵という像が本尊として祀られています。
 小さな境内なのですが、本堂の蟇股(かえるまた:以前同じ文化研究会の講演で話を聞いて興味をもって見るようにしています)には大内家の家紋の沢潟(おもだか)が彫られ、屋根には大内菱という紋が付されているように、大内氏とつながりのあるお寺であったことが偲ばれます。頭屋の方の話では、大内義隆公の菩提寺とされた龍福寺(現在は万福寺の北近くにあります)ともかかわりのあるお寺だそうです。

 鷺の舞は、役者(舞を舞う者)が6人、囃子方3人、警護役などが6人の合計15人で奉納されます。
 役者の6人は、雌雄の鷺役で2人、カンコと呼ばれる少年2人、シャグマ(赤熊髭)と呼ばれる者2名で構成されていて、その舞は、猟師のシャグマが庭で舞う二羽の鷺を射ようとするのを、カンコの少年が小鼓を叩いて鷺に危険を知らせ猟師の邪魔をして鷺を助ける、というストーリーになっています。
 これに太鼓1人、笛2人、警護役4人、提灯持1人、笠鉾1人がついて舞が舞われます。
 最初に万福寺で舞われた後、その年の頭屋宅の前、札の辻の交差点、八坂神社で舞われ、最後に御旅所と呼ばれる場所で舞われます。

 堂の前地区には頭屋と呼ばれるお宅が4軒あって、この4軒で鷺の舞を仕切って来られたのだそうです。長い間には人の出入りがあるのですが、基本的には4軒の特定の建屋に住む人が頭屋になるということで引き継いで来られました。その4軒の頭屋は順番にその年の責任者として舞の世話をすることになります。

 このように頭屋を中心にして鷺の舞が行われるのですが、その準備や当日の実施は、保存会を始め堂の前地区の人が活動されます。ここでも地区に住まわれる方が減り、高齢化しているという問題を抱えておられるというお話しでした。
 ただ、町内に五階建て20戸のマンションがあって、ここに住んでおられる方(相対的に若い方が多い)も積極的にこの祭に参加されていて、大きな力になっているというお話しもありました。7月20日の当日に提灯を持っておられる人に話を伺ったのですが、その方も地区の外からマンションに移ってきた方でしたが、お祭りに参加できることを喜んでおられるようでした。

 舞に当たっては上記のように、15人の方を集めなければならないのですが、頭屋さんにお聞きすると、この役をやりたいという方もあって調整する方にも気を配らなければならないこともあるようです。カンコ役の2人は幼稚園の年長組から小学校の3年生くらいの子供さんの役なのですが、希望者があってもすぐにやってもらうことができないこともあるそうです。地区を離れて外に住んでいる人にも祭で役をやりたい、と希望される方もあるとか、いろいろな形で祭りが支えられているということも感じられました。

 このマンションが建設された時、マンションの居住者は町内会に入りたいと希望されたのだそうですが、町内会の方に受け入れに消極的な意見もあったのだそうです。しかし、今となっては入ってもらっていてよかった、と頭屋のお一人は仰っておられました。もちろん新旧の居住者の間では様々な問題が生じることもあるのでしょうが、新しい住人が間違いなく地区の活動を支えておられるということを感じました。

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(上の写真、左は万福寺本堂の蟇股、中は舞が始まる前の町内の人、右は頭屋さん宅前での舞の様子です)

 山口の鷺の舞は津和野のものに比べて派手なものではないのだそうですが、堂の前の地区の皆さんが支えて来られている様子が伺えました。

(最初の写真、左は万福寺境内で舞われた舞、右は万福寺の境内です)

 左の写真の鷺の後ろはシャグマ、手前にはカンコの少年、右奥に笛2人、鼓1人が見えます。ちょっと見えにくいですが、頭部の赤いのが雌の鷺です。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)
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