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527.御絵伝に見る親鸞聖人のご生涯 (26):上巻第八段

20190412第八段自坊s

 「御絵伝に見る親鸞聖人のご生涯」は、第八段になります。4幅のうち2幅目の最後(一番上)の図です。
 『御伝鈔』第八段の御文の最初の部分と訳文です。

 御弟子入西房(にゅうさいぼう)、上人[親鸞]の真影(しんねい)を写したてまつらんとおもふこころざしありて、日ごろをふるところに、上人そのこころざしあることをかがみて仰(おお)せられてのたまはく、「定禅法橋(じょうぜんほうきょう)[七条辺に居住]に写さしむべし」と。入西房、鑑察(かんさつ)の旨を随喜して、すなはちかの法橋(ほっきょう)を召請(ちょうしょう)す。定禅左右(さう)なくまゐりぬ。すなはち尊顔に向かひたてまつりて申していはく、「去夜、奇特(きどく)の霊夢をなん感ずるところなり。その夢のうちに拝したてまつるところの聖僧(しょうそう)の面像、いま向かひたてまつる容貌に、すこしもたがふところなし」といひて、たちまちに随喜感歎(ずいきかんたん)の色ふかくして、みづからその夢を語る。

 お弟子の入西房が、親鸞聖人のご肖像を描いておきたい、との願いを抱いて日々をすごしていたところ、聖人はその心中をお察しになって、「七条のあたりに住んでいる定禅法橋に描かせてはどうか」とおっしゃいました。入西房は自分の心の中を察していただいたことをとても喜んで、すぐにその定禅法橋をまねきました。定禅は直ちにやって来ました。そして聖人にお眼にかかると、びっくりして申しました。「実は昨夜、私は不思議な夢を見ましたが、その夢の中でお眼にかかった尊いお坊さんのお顔は、いま私の前にいらっしゃるお方のお顔とそっくりです。これはどうしたことでしょう」と。そしてその場で感激にむせびながらその夢の話を語り始めました。

 今回の上巻第八段は、「入西鑑察(にゅうさいかんざつ)」の段とよばれているものです。
 この段では、入西房というお弟子さんが登場します。入西房は親鸞聖人のお姿を描きたいと密かに思っていたところ、聖人がそのことを察せられて、定禅という絵師を招かれたところから始まります。入西房は、聖人が自分の密かな希望を知っておられたことに大変感激をされます。
 一方、呼ばれた定禅絵師は自分が前夜に見た夢の話をします。彼は、その夢の中に出てきた徳の高い僧侶のお顔が親鸞聖人とそっくりだったと、感激しながら語り始めるのです。

 この入西房について、岡村喜史氏は、関東で親鸞聖人の教えを受けて門弟になられて人だとされています。この段の後の方に、この出来事が仁治3年(1242年)9月のことだったという記述がありますので、聖人70歳のころになります。入西房は遠く関東から都におられる親鸞聖人を訪ねておられたようです。聖人のお姿を描きたいと強く思っておられたのですが、直接言い出せなかったのではないでしょうか。それだけに親鸞聖人から肖像の制作の声をかけられたことを大変感激されたのだと思います。

(図は、自坊の御絵伝の第八段です)

 今回も、右から左へと二つの場面を描いています。
 右では、奥に座っておられる親鸞聖人が手前右の入西房に肖像を作成することを許されているところです。手前左は、いつも聖人に従っておられた蓮位房だとされています。蓮位房は第四段「蓮位夢想」の段に登場した人です。
 左は、奥の方でこちらに向かっておられる聖人のお姿を手前右の定禅法橋が描いている場面です。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)
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