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470.御絵伝に見る親鸞聖人のご生涯 (8):上巻第二段 (2)

20180924第二段  20180924第二段2

 『御絵伝』の上巻第二段の後半部分です。

 『御伝鈔』の御文を読みます。
 「真宗紹隆(しょうりゅう)の大租聖人(源空)、ことに宗の淵源を尽し、教の理致をきはめて、これをのべたまふに、たちどころに他力摂生の旨趣(しいしゅ)を受得(じゅとく)し、あくまで凡夫直入(じきにゅう)の真心(しんしん)を決定(けつじょう)しましましけり。」

 (真実の教えを盛んにされた法然聖人は、親鸞聖人にその宗旨の根源のすべて、聖教のすじみちを究極まで述べ伝えられ、親鸞聖人は、阿弥陀如来の本願他力によって救われるという趣旨をたちどころに会得され、凡夫がそのまま真実報土に往生せしめられる、との信心をしっかりと確立されました。)

 前回学びましたように、親鸞聖人は29歳のときに、ご自信の抱えておられた問題を解決したいと、20年間修行と学問を続けられた比叡山を下りられ、百日の間都の六角堂に籠られた後に、法然聖人の許を訪ねられました。

 その後の親鸞聖人のご様子についても、前回学びました『恵信尼消息』が伝えていただいています。
 「法然聖人にあひまゐらせて、また六角堂に百日籠らせたまひて候ひけるやうに、また百か日、降るにも照るにも、いかなるたいふにも、まゐりてありしに、ただ後世のことは、よき人にもあしきにも、おなじやうに、生死出づべき道をば、ただ一すぢに仰せられ候ひしを、うけたまはりさだめて候ひしかば、」
 (親鸞聖人は、法然聖人に会われたのち、六角堂に百日間籠られたように、また百日の間、晴れようと雨が降ろうと、法然聖人の許に通われて、後世のことは善人、悪人の相違がなく一様に生死を離れることができる、その道を一筋に説かれた法然聖人の教えを聞き分けられ得心され、)

 このように、親鸞聖人は、六角堂に百日籠られた後に法然聖人の許を訪ねられますが、その後に百日の間、ひたすら法然聖人の許に通い聖人の説かれる教えを聞かれて、法然聖人こそご自身が抱えておられる問題に答えていただける方だと確信を持たれたのだと、恵信尼公はお伝えいただいています。
 この親鸞聖人のお心は、親鸞聖人から直接教えを受けた唯円房が書き残されたとされている『歎異抄』に次のような言葉で残されています。
 「たとえ法然上人にだまされて、念仏したために地獄へ堕ちたとしても、決して後悔はいたしません。なぜなら、他の行に励むことで仏になれたはずのわたしが、それをしないで念仏したために地獄へ堕ちたというのなら、だまされたという後悔もあるでしょうが、どのような行も満足に修めることのできないわたしには、どうしても地獄以外に住み家はないからです。」(現代語訳) 
 このように、親鸞聖人が比叡を下りられて、法然聖人の教えに帰依されるようになられたのには、聖人が大きな苦悩を持って六角堂に百日籠られ、また必死の思いで法然聖人の許に百日の間通い聖人の教えをたずね聞かれたという積み重ねの結果ということになります。

 親鸞聖人が比叡の山を下りて法然聖人にお会いになり、法然聖人のみ教えに帰依されることになった経緯は、親鸞聖人にとっては勿論のこと、私たちの浄土真宗にとっても極めて大きな意味を持つものです。
 しかし、覚如上人が著された『御伝鈔』の記述では、親鸞聖人は「隠遁のこころざしにひかれて」法然聖人の許を訪ねられその教えをきかれると「たちどころに他力摂生の旨趣を受得し」とされており、非常に簡潔なものになっています。そこでは、百日の六角堂参籠も百日間法然聖人の許に通われたことも記されていません。

 親鸞聖人が法然聖人を訪ねられる契機となった六角堂での参籠について、またその六角堂参籠がなぜここで触れられていないのかということについては、次回の第三段以降で見ていきたいと思います。

(左の図は親鸞聖人が法然聖人にお会いになられているところ、右の図は庭の池の二羽の鴛鴦(オシドリ)です)
 白色の衣、袈裟に僧綱(そうごう)襟という天台の僧侶姿の親鸞聖人に対しておられる法然聖人は墨衣(すみえ)墨袈裟(すみげさ)という、隠遁(寺を棄てた)した聖(ひじり)の姿に描かれています。
 右の二羽の鴛鴦について、平松令三氏は、親鸞聖人が法然門下に入ってから結婚されるという伝説を踏まえたものかもしれない、とされています。また、池の中の鴛鴦を法然聖人と見て、これから池に入ろうとする鴛鴦を親鸞聖人とする見方もあるようです。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)
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