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466.御絵伝に見る親鸞聖人のご生涯(6):上巻第一段(4)

第一段(2)   P1090300.jpg

 『御絵伝』の第一段の4回目となります。
 『御伝鈔』の言葉は、第一段の3番目の段落、得度されてからの親鸞聖人の比叡山での勉学、修行の様子が伝えられています。今回は、『御伝鈔』の文を見てみます。

「それよりこのかた、しばしば南岳・天台の玄風を訪(とぶら)ひて、ひろく三観仏乗(さんがんぶつじょう)の理を達し、とこしなへに楞巌(りょうごん)横川(よかわ)の余流を湛(たた)へて、ふかく四教円融(しきょうえんにゅう)の義にあきらかなり。」

 難しい言葉が出てきますが、その意味、内容を記しておきます。
  「南岳・天台の玄風」=中国天台宗の南岳大師慧思・天台大師智顗によって説き示された奥深い教え
  「三観仏乗の理」=天台宗の根本的な教え。空(くう)・仮(け)・中(ちゅう)の三種の観法によって生きとし生けるものがさとりをひらくとする教え
  「楞巌横川の余流」=比叡山横川(首楞巌員:しゅりょうごんいん、はその中堂)に伝えられている源信和尚の流れ
  「四教円融の義」=天台宗の根本的な教え、蔵・通・別・円の四教を立てて釈尊一代の教説内容を判別し、その究極である円教の内容を三諦円融の理で説明する。
 (以上は、いずれも『浄土真宗聖典(註釈版)』の脚注を引用させていただきましたが、その細部について私もよく分からないところがあります。)

 この段落では、親鸞聖人が9才でのご出家以降、天台宗の奥義を極められ、源信和尚の教えに精通されたということが述べられています。

 実は、親鸞聖人が出家されてからの比叡山での学問、修行の様子を伝える資料は長い間見つかっていなかったのだそうです。そんなこともあって、聖人が実在されたことに疑いを持つ学説まで出されたということです。

 そのような中、大正10年に本願寺の宝庫から発見された恵信尼公(親鸞聖人の奥様)の自筆のお手紙(『恵信尼消息』)が発見されました。その中には、親鸞聖人の比叡山でのご修行の様子や、その後山を下りられて法然聖人の許を訪ねられる経緯などが記されていて、親鸞聖人の実在を証明し、比叡山当時のご修行の様子を知ることができる、大変に貴重な資料となりました。

 その『恵信尼消息』の中に、「殿の比叡の山に堂僧つとめておはしましけるが、」という一文があり、親鸞聖人(殿)が比叡山で「堂僧」を勤めておられたということが記されていました。
 『浄土真宗辞典』で調べますと、この「堂僧」は、比叡山の常行堂で「7日間、昼夜不断に西方願生を求めて修する」不断念仏を修する僧を指すということです。7日間昼夜を問わず、阿弥陀仏の名を念じ称えて道場内を巡るという厳しい修行だとお聞きしました。
 不断念仏を行ずるものは、三昧の境地(心を一つの対象に集中して散り乱さない状態)に入ることができるとされ、天台の修行の一つです。まさに自分の修行でもって煩悩を滅することを目指す自力の行ということになります。

(図左は、聖人が慈円僧正の許を訪ねられた最初の場面を拡大したもの、右は現在の青蓮院です)

 左の図は慈円僧正の住坊の門の外を描いたものです。上部には牛車(ぎっしゃ)が描かれていますが、親鸞聖人が乗って来られたもの、下部にはその牛と牛飼童(うしかいわらわ)と呼ばれる牛の世話をする人が描かれています。また右下部には馬が描かれていますが、これは聖人の伯父の日野範綱公が乗って来られた馬だとされています。
 こうして見ますと、聖人と日野範綱公に従って慈円僧正の坊に向かった従者は門の外に6人、門の中にも5人の合計11人となります。これは、『御伝鈔』の「朝廷に仕官して天皇の御側(おそば)近くに仕えたり、仙洞御所(せんとうごしょ)の中を忙しく走りまわったりして、高い地位に昇り、栄華をきわめるべき人であったのでしたが、」という言葉を絵に表現したものと思われますが、当時の日野家が置かれていた苦境を考えると、平松令三氏が言われるようにオーバーな絵になっているということのようです。
 画面の上部には桜、下部には松が描かれていますが、これは聖人の幼名「松若丸」と、聖人が得度された春を表すものだとお聞きしたことがあります。

 右の写真のように、現在の青蓮院にはクスノキの巨木があります。13世紀に青蓮院がこの地に移された以降に植えられたと考えられているそうですので、聖人のお得度の当時にはなかったようです。
 
(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)

(お詫びと訂正です)

 前回の記事で、来年の「花まつり」の開催費を4月14日と記していましたが、削除しました。今後検討されますので、追ってご連絡いたします。

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