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398.『阿弥陀経』を読む(54)

20180119仏足石2   20180119仏足石


[御文] 各於其国・出広長舌相・徧覆三千・大千世界
     (かくおごこく・すいこうじょうぜっそう・へんぷさんぜん・だいせんせかい)

[訓読] おのおのその国において、広長(こうちょう)の舌相(ぜっそう)を出(いだ)し、あまねく三千大千世界に覆(おお)いて、

[訳文] それぞれの国でひろく舌相を示して、世界のすみずみにまで阿弥陀仏のすぐれた徳が真実であることをあらわし、

 お釈迦さまは、阿弥陀さまのはかり知れないすぐれた功徳を讃嘆されました。私たちは、お釈迦さまがそのことを数限りない仏方も証明されているのだと説かれる、「六方段(証誠段)」を学んでいます。

 東方の仏方(後に出てきます五方の仏方も同じなのですが)は、「広長の舌相を出し、あまねく三千大千世界に覆いて」とされています。
 この広長の舌相というのは、仏さまには私たちとは違う32の身体の特徴があるとされるその一つなのです。
 仏さまの舌は広くて長く、顔面を覆って髪の生え際まで届くほどだというのが、広長舌相です。当時のインドでは、舌が鼻を覆えばその言に偽りがないとされていたのだそうです。
 従って、今回の部分は、(東方の)数限りない仏方がお釈迦さまの説かれていることは間違いないのだと、仰っておられるということになります。訳文も「阿弥陀仏のすぐれた徳が真実であることをあらわし」となっています。
 日本で「舌を出す」という動作は全く違った意味になりますが、時代と場所によって意味が変わるものですね。

 また「長広舌」という言葉があります。この三十二相を起源とした言葉だと思われますが、岩波国語辞典では「長長としゃべりたてること。また、熱意のあふれた雄弁」とされているように、語源とは離れた意味を持つようになっているようです。

 「三千大千世界」という言葉が出てきました。訳文では、「世界のすみずみまで」とされていますが、この「世界」は、須弥山という高い山(辻本師によれば高さ56万キロメートルだそうです)とそれを取り巻く七つの山脈、その外の大海、そこに浮かぶ4つの島、その一つに人間が住み、地獄や餓鬼、畜生の世界もその下にあるという、誠に広大な世界、それが一世界なのです。
 その広大な世界を千個併せたのが小千世界、小千世界を千個併せたのが中千世界、大千世界というのはその中千世界をさらに千個併せたものだということですから、十億個の世界ということになります。
 ガンジス河の砂ほどの多くの仏方が、それぞれご自分の三千大千世界を覆うだけの広い舌を出して、お釈迦さまの説法を讃えておられるということになります。

 仏さまの身体的な特徴を表した三十二相で、他にも記憶に残っている相があります。

 仏さまの足の裏には輪形が刻まれているという「千幅輪相(足下二輪相)」があります。
 古代のインドでは、仏さまの像を刻んで礼拝するという習慣がなかった、あるいは像に刻むことは余りにも恐れ多いということでもあったようですが、ということで、代わりに輪形を刻んだ「仏足石」が信仰の対象となったとお聞きしています。その他に、法輪(仏教の教えが広く伝わることを象徴する輪形)やお釈迦さまがさとりを開かれた地にあった菩提樹も礼拝の対照となっていたようです。
 仏さまのお姿を刻んだ仏像が礼拝の対象とされるようになるのは、時代が下ってガンダーラ地方(現在のアフガニスタン)やマトゥーラ地方(現在のパキスタン)が始まりだといわれているようです。仏教の教えが他の地に広がり、その地の文化と融合された結果だということになります。

 「手足指縵網相(しゅそくしまんもうそう)」という相も印象にのこっています。
 仏さまは手足の指の間に鳥のような金色の水かきを持っておられるという相です。たくさんの悩める衆生を一人も残すことなく救いたいという願いが表わされた相だと伺いました。

(写真は、仏足石です。)

 左はインドのコルカタ博物館に展示されていたもの、右はウイキペディアから借用しました。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)
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