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371.「平和に関する論点整理」への意見集約 (2)

20171016タイタンビクス2   20171016タイタンビクス

 少し間が空きましたが、引き続き「平和に関する論点整理」に対して出された意見について考えてみたいと思います。
 今回は「意見集約」で取り上げられた、次の2つの論点です。

 3.具体的な論点について
 4.議論にならなかった論点

「3.具体的な論点について」では、「論点整理」に対して意見が出された次の論点が取り上げられていました。
  (1)近隣諸国との緊張関係
  (2)個別的自衛権・集団的自衛権の問題
  (3)宗教の右傾化という問題
  (4)憲法問題

 これらの論点について出された意見をみてみると、「戦争と平和」の問題にどのように対応するのかという課題は、検討する場合の前提条件が具体的になればなるほど、意見が分かれてくるものだということを改めて感じました。
 北朝鮮の問題や中国との関係の問題、個別的自衛権や集団的自衛権の問題、米軍基地の問題などがその典型だと思います。
 これらの現実に存在している問題に対して、「武力の行使は認められない、自衛権も認められない」とする立場をとるのであれば、割り切った判断(現実的かどうかは別にして)ができると考えられますが、そうでない場合は、念仏者としてあるいは教団として下す判断、とるべき行動は非常に難しいものになります。
 「論点整理」にも挙げられていた、「国や地域の価値の共有」や「宗教的寛容の推進」「人的交流」などの非軍事的な活動が、錯綜した利害関係の中で一歩ずつでも望ましい状態に近づいていく手段となるのは間違いないことだと思われます。
 また、仏教という宗教は日本固有の宗教ではなく、アジアの地域に広く信者を持つ宗教であり、「平和」を中心的な価値にしているところから、近隣諸国と宗教的なネットワークを構築することが近隣諸国との間の平和実現に有効だということも指摘されていました。

 意見集約の中で、右傾化した宗教の活動が顕著になっている、という意見が出されたようです。
 これは、「意見集約」でも触れられているような「宗教右派」が政治を動かすようになっているという、問題意識が背景にあるようです。
 また、9月14日の説明会の当日、会場から中島岳志氏の著書『親鸞と日本主義』をひいて宗教の右傾化についての意見が出されました。それは、先の大戦で宗門が戦争に向かっていく流れを止めることができず、それを推し進めることとなったことは、帰依する対象が天皇に置き換えられた、あるいは置き換えてしまった、のではないか、という中島氏の問題意識につながるものです。
 現在、中島氏の著書を読んでいるところですが、戦争へと傾斜していく時代の流れの中で、苦悩しながら、あるいは「苦渋の選択」として対応する姿を想い浮かべました。時代の流れの中で正しく判断し行動することの難しさを強く感じますが、そのような困難の中で正しく判断し行動できるかどうかは、結局のところ私自身にかかってくることなのだと、改めて思います。

「4.論議にならなかった論点」では、意見が出されなかったけれども重要と思われるとして、次の論点が取り上げられていました。
 (1)煩悩の問題
 (2)「平和」の概念規定

 「論点整理」の第Ⅰ章で、煩悩や愚かさが争いを生むという問題提起がなされていたのですが、この点に対してはほとんど意見が出されなかったようです。
 戦争を始め様々な争いの根底には、自分中心にものを考え、むさぼり怒る私たちの煩悩があり、私たちはこの煩悩から逃れることは難しいことだとされます。しかし、たとえ煩悩から脱することは難しいとしても、私たちはこのような自分の姿を認識することはでき、そのことによって、争いを避ける方策を模索することも可能になるのではないかと思います。
 ここでも、昨年広島を訪問したオバマ前大統領の言葉を思い出します。オバマ氏は、人類は、「支配、征服を欲する本能」は太古のままでありながら、世界を破滅させるほどの科学の力を手にしていると指摘し、私たちは私たちが手にした力にふさわしい進化をしなければならないと説いていました。
 今回の「意見集約」の中では、「仏教や浄土真宗の世界観や人間観の立場から平和構築の可能性について発信をしていくことも私たちにとって重要な課題ではないでしょうか。」と述べられています。
 オバマ氏の言葉を思い起しますと、宗教の違いを超えたところでも、私たちの姿について共通の認識を持ち、煩悩や欲望をコントロールする方向に向かうことができるのではないかと思います。仏教やキリスト教といった個別の宗教の言葉ではなく、共通の言葉として共有することができ、それによって問題に対処するという道があるのではないか、という希望を持ちたいと思います。
 
(写真は、タイタンビカスの花です。山口市宮野で撮影しました)

 タイタンビカスは、先日から登場していますフヨウ属のアメリカフヨウとモミジアオイとの間で作られた交配種です。大きな花を咲かせ、高さは2メートルにもなります。ハイビスカスのような南国風の花を持ちながら、北海道のような寒冷地でも地植えが可能なほど強健な生育力を持っているということです。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください。)
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