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331.『阿弥陀経』を読む(22)

20170529阿弥陀如来像  

[御文] 又舍利弗・極楽国土・有七宝池・八功德水・充滿其中
    (うしゃしほツ・ごくらっこくど・うしっぽうち・はっくどくすい・しゅまんごちゅう)

[訓読] また舎利弗、極楽国土には七宝の池あり。八功徳水そのなかに充満せり。

[訳文] また舎利弗よ、極楽世界には七つの宝でできた池があって、不可思議な力を持った水がなみなみとたたえられている。

 お釈迦さまは続けて語りかけられます。
 極楽浄土には七つの宝でできた池があって、そこには八つの不思議な力を持った水がたたえられていると説かれます。

 今回は七つの宝が登場します。これは少し後で、金・銀・瑠璃(るり)・水晶・硨磲(しゃこ)・赤真珠・瑪瑙(めのう)という宝物だと紹介されるのですが、その七つの宝物のうち、最初の四つは前回登場したものです。今回の「硨磲」は大蛤(おおはまぐり)あるいは白珊瑚、「瑪瑙」は深緑色の玉(ぎょく)のことで現在私たちが瑪瑙と呼んでいるものとは別のものなのだそうです。いずれにしても、金銀に加えて、美しく貴重な宝石で作られた池だということになります。

 そして「八功徳水」ですが、これについてはいろいろな説があるということで、『浄土真宗辞典』では、玄奘三蔵の『称讃浄土経』により澄浄(ちょうじょう)・清冷(しょうりょう)・甘美・軽軟(きょうなん)・潤沢(水にいろつやがありよくうるおす)・安和(飲むと身にも心にも心地よい)・除患(じょげん:飲むと過患を除く)・養根(善根を増益する)という優れた特質のある水のことだとされていました。

 また、辻本敬順氏の『阿弥陀経のことばたち』では、甘(甘い)・冷(冷たい)・軟(柔らかい)・軽(きょう:軽い)・清浄(しょうじょう:清らか)・不臭(くさくない)・飲時不損喉(おんじふそんこう:飲むときに喉を損なわない)・飲已不傷腹(おんいふしょうふく:飲み終わって腹を痛めない)という説明がありました。
 こちらの方は、インド(だけではありませんが)では生水は絶対に飲まないようにと何度も忠告されたかの地の飲料水事情を彷彿とさせる八つの功徳であり、また私たちが良い水に恵まれているということを改めて思い起させていただける言葉でもあります。

 末本弘然氏が書かれた『浄土真宗 新仏事のイロハ』という本に、この八功徳水のことがとりあげられていました。
 浄土真宗では仏壇に茶湯器やコップで水やお茶を供えしないのですが、それは「亡き人が生まれた浄土には「八功徳水」というとっておきの水がふんだんにたたえられてあり、私たちが”水道の水”を差し上げる必要はない」からだとされていました。
 その代わりに、華瓶(けびょう)という仏具を使って水をお供えします。その際、華瓶一対にシキミなどの青木を生けますが、この水は阿弥陀如来に飲んでいただくものではなく、尊い香水(こうずい)を阿弥陀如来の恵みとしていただきお礼申し上げてお供えするものだということになります。

(写真は、京都日野の地にある法界寺の阿弥陀如来のお像です。ウイキペディアから写真をお借りしています。)

 親鸞聖人は、この法界寺でお生まれになったと伝えられています。
 現在は真言宗のお寺で、11世紀末の作と伝えられるこのお像は国宝に指定されています。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)
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