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329.『阿弥陀経』を読む(20)

20170522金剛座  201705221オウギヤシ  20170522貝葉

[御文] 又舍利弗・極楽国土・七重欄楯・七重羅網・七重行樹
    (うしゃりほツ・ごくらっこくど・しちじゅうらんじゅん・しちじゅうらもう・しちじゅうごうじゅ)

[訓読] また舍利弗、極楽国土には七重の欄楯・七重の羅網・七重の行樹あり。

[訳文] また舍利弗よ、その極楽世界には七重(しちじゅう)にかこむ玉垣と七重におおう宝の網飾(あみかざ)りと七重につらなる並木がある。

 お釈迦さまは、ここから極楽浄土の麗しい姿(荘厳:しょうごん)について目に美しく、耳に心地よく、香りよくまた触れて心地よい理想のものとして私たちに示されます。
 今回の部分では、玉垣と宝の網飾りと並木がいずれも七重になっていると描かれます。

 この「欄楯」は装飾を施した石垣とされていて、仏塔の外側に巡らすように定められていたと伝えられます。
 つぎの「羅網」はサンスクリット語の原本では、「鈴のついた網」とされているということで、風によって美しい音を聴かせるものだったのかもしれません。
 同じサンスクリットの原本で、「行樹」はターラという樹木の並木だとされています。このターラ樹はオウギヤシというヤシ科の植物のようで、インドでは寺院の参道の左右に並べて植えられていたようです。

 いずれも七重になっている、と紹介されていますが、この「七」について、辻本敬順氏は「六道という迷いの世界を超えたさとりの数字」「古代インドでは七進法で、七は満数」「古くから神聖な数字」などという様々な説があると紹介されています。
 いずれにしてもインドでは大切な数字とされていたことは間違いのないことだと思われます。
 現在私たちも、ご往生の後に七日ごとのお勤め、四十九日のお勤めをし、七回忌、十七回忌の法要をお勤めするなど、七という数字を大切にしております。

 余談になりますが、オウギヤシという植物は胚乳は食用になり、樹液はパームシュガーの原料に、また発酵させてヤシ酒の原料になるなど大変に有用な植物です。また、その葉は古くは貝多羅葉(ばいたらよう)と呼ばれて、経典などを記すのにも使われたということです。そういう意味でも仏教にとって大事な植物だったと言えそうです。

 さらに余談ですが、日本ではタラヨウ(多羅葉)と呼ばれている植物があります。モチノキ科の植物なのですが、この植物の葉の裏側を細い針のようなもので傷つけると黒く変色することから、日本ではこれを紙の代用品として手紙などを書くのに使っていたようです。
 これがはがき(葉書き)の語源となり、タラヨウは別名「郵便局の木」とも呼ばれ、郵便局の構内にこの木が植えられていることもあります。

(写真は、本日の記事に関連のあるものです。)

 左の写真は、ブッダガヤの「金剛座」です。見えにくいのですがお釈迦さまがさとりを開かれたと伝えられる菩提樹の周辺に巡らされている「欄楯」が右下に見えます。
 中の写真はオウギヤシで、右は、オウギヤシの葉、貝多羅葉を筆記用に使用した例です。この2枚はウイキペディアから借りています。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)
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