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281.お正信偈を読む(58):依釈段(35)/源空讃(2)

20161205滝ノ口河川公園s    20161205滝ノ口河川公園1s

 お正信偈を読むは、親鸞聖人が法然聖人を讃嘆された「源空讃」の2回目になります。

[御文] 真宗教証興片州 選択本願弘悪世 (しんしゅうきょうしょうこうへんしゅう せんじゃくほんがんぐあくせ)

[訓読] 真宗の教証(きょうしょう)、片州(へんしゅう)に興(おこ)す。選択(せんじゃく)本願、悪世(あくせ)に弘(ひろ)む。

[訳文] (法然聖人は)この国に往生浄土の真実の教えを開いて明らかにされ、選択本願の法を五濁の世にお広めになった。

 今回の2句は、前回の2句とともに親鸞聖人が法然聖人のご功績を要約されたものです。

 今回の第1句に記された「真宗」は「真実の教え」の意味で、ここでは特定の宗派の名称ではありません。
 法然聖人は『選択本願念仏集』の中で、「道綽禅師は聖道と浄土の二門を立てられ聖道を捨てて浄土に帰された」とされましたが、その浄土門の中の真実の教えです。
 また、「教証」は教義全体を指すものです。
 「片州」とは日本のことです。インドや中国といった仏教の国(大国)と並べて見ると、日本はその片隅の小さな国です。しかし親鸞聖人は、この小さな日本で法然聖人によって浄土の真実の教えが興されたのだと、誇らしく宣言されているように思われます。

 第2句の「選択本願」は、全ての衆生を救うと誓われた阿弥陀如来のご本願(第十八)を指します。
 また、「悪世」は五濁悪世のことで、劫濁、見濁、煩悩濁、衆生濁、命濁という5つのけがれが満ちた悪い世のことで、私たちが生きている現実の世界を示すものです。
 この句によって、親鸞聖人は、法然聖人がこの末法の悪世に阿弥陀如来のご本願を広められたと讃嘆されているのです。

 前回にも見ましたように、戦乱と天災に見舞われた社会の中で、在来の仏教は内部対立を激化させるなど時代の要請にこたえるものとは言い難い姿を呈していました。
 法然聖人が求められたのは、このような悪世のなかで、一般の衆生が救われる道でした。
 聖人は、在来の聖道門の諸宗では聖者だけに往生浄土の道が開かれおり、多くの衆生が救われる道は聖道の門には無いとされました。
 聖人は善導大師の教えに従って、浄土三部経を「読誦」し、阿弥陀仏の浄土を心に念じ(「観察」し)、阿弥陀仏のみを「礼拝」し、阿弥陀仏の名号のみを称え(「称名」)、阿弥陀仏のみの徳を「讃嘆し供養」するという5つの正しい行(五正行)を行うように勧め、それ以外の行を雑行として退けられました。
 さらに聖人は、善導大師の教えを受け継がれて、五正行のうち「称名」を正定業(しょうじょうごう)とされ、他の4つの正行を助業(じょごう)とされました。
 「称名」が、阿弥陀如来が一切衆生を等しく往生させるために選ばれた行だとされ、他の4つの行はそれに随伴し、それを助ける行とされたのです。
 
 このように、法然聖人は、聖道門を捨てて浄土の門に入り、五つの正行以外の雑行を捨てることを勧められ、さらに称名念仏のみが正定業であるとされたのです。
 聖人は、往生浄土の因は称名念仏以外には何もない、ということを宣言されたのです。
 
(写真は、下松市の「滝ノ口河川公園」というところの紅葉です。岩国の帰りに行きました)

 この河川公園も初めて訪ねたところでしたが、川の流れにモミジが映えて美しいものでした。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)
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