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256.ご紹介します(10):「ユマニチュード入門」

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 久し振りの「ご紹介します」ですが、今日は「ユマニチュード入門」という本をご紹介します。

 帯に「魔法?奇跡?いえ技術です。」とありますが、認知症のケアの新しい技法として注目を集めている「ユマニチュード」を紹介した本です。
 この本のことについて知ったのは、週刊文春に連載されている「阿川佐和子のこの人に会いたい」という記事を読んだことがきっかけです。その対談は、阿川さんとこの技術の創始者であるフランス人のイヴ・ジネスト氏よび日本への紹介者である本田美和子医師とで行われたものでした。
 その中で、このユマニチュードの技術を理解して接することにより、それまで攻撃的であったり、自閉的であった認知症の患者さんが劇的に変わるのだということが紹介されていました。

 「ユマニチュード」はフランス語で「人間らしさ」という意味だそうです。
 ユマニチュードの4つの柱がこの「技術」の大切なものとして紹介されています。それは、「見る」、「話す」、「触れる」、「立つ」という4つことです。

 「見る」 赤ちゃんを見つめる母親のまさなざしのように、相手に対して正面から水平に目を合わせることで、相手の存在を認めているというメッセージを送ることができます。
 「話す」 話しかけても相手から反応がない場合などでは、話すことそのものがされなくなってくるという例が取り上げられていました。母親が赤ちゃんに話しかけるようにポジティブな言葉で話しかけることで、相手の存在を認めているということを伝えることができるとされていました。
 「触れる」 ポジティブな触れ方は、相手に優しさを伝える大切な技術だとされています。これも母親が赤ちゃんに触れるときのように、広い面積で、ゆっくりと、優しく相手に触れることが大切だとされていました。
 「立つ」 立つ、歩くということは身体の機能を維持するために重要な役割を持っていますし、また人間としての尊厳にかかわる大切な働きだといいます。高齢の認知症の患者さんでは、転倒することを恐れる余り、ベッドに寝た切りにしてしまっている例が多いのだそうです。立つことに対する適切な支援も重要だとされていました。 
 
 ここで言われていることは、これらの接し方を通じて認知症の患者さんに人間としての尊厳を取り戻してもらうことだということです。
 私たちは、この世に生れて来て2つの「誕生」を経験するということが紹介されていました。最初の誕生は動物としての誕生(=出生)、2つ目の誕生は社会的な存在として認知されるという誕生です。

 そして認知症というのはこの2つ目の社会的な存在という誕生をなくした状態だということです。そのような患者さんに対して、手間がかかる、相手が嫌がるなどという理由で、正しく見ること、話しかけること、触れることをしなくなり、また立ち上がり歩くことを制限しているのがこれまでの介護、看護だったのではないか、ということが言われていました。患者さんの気持ちを無視して、効率的に介護を進めようとすることが患者さんに恐怖感を生じさせ、拒否や抵抗、暴力などの形で現れているということです。

 この本を読んで思ったことなのですが、これらの相手の存在を認める行為は認知症のお年寄りに対してだけではなく、私たちが日常的に接する人に対するときも大切なことではないか、ということです。
 「触れる」は時と場合を考えなければなりませんが、相手を見る、話しかけるという2つは、相手の存在を大切なものとして認めているということ伝える重要な「技術」だということにも(反省を込めて)思い至りました。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)
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