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196.平和に関する論点整理(6)

20160212ロウバイ1   20160212ロウバイ2

 再び「平和に関する論点整理」に戻ってきました。Ⅴ.章になります。

Ⅴ.国際社会における平和構築の手段
「国際社会における「平和」は、いかなる活動によって構築・維持されているのでしょうか? やはり軍事力の均衡が重要なのでしょうか?」
 ・平和は多様な方法によって維持されている。
 ・平和構築・維持において、軍事力の均衡と、軍事力による抑止が重要とされる。
 ・「核の傘」は、抑止力になるのかという議論がある。
 ・平和づくりにおいては、多様な方法の中で具体的な活動が求められる。


 この「論点整理」では多様な観点から論議が提起されていますので、互いに矛盾する論議が提起されていることもあります。二番目の論議、軍事力の均衡に関する評価についても、意見が分かれるところだと思われますが、一つの論議として提示されていると考えられます。

 平和が維持される多様な方法として、この「論点整理」では17の項目が挙げられています。その一番目に「軍事力の利用と管理」が挙げられていますが、それ以外の16項目には「経済的な相互依存」、「構造的暴力(飢餓、格差、差別など)の克服」、「民主化」、「人的交流」といった「非軍事的」な方法が挙げられています。戦争の悲惨さとりわけ核兵器の取り返しのつかない破壊的な力を目の前にして軍備に頼らない多様な方策が模索されてきた結果が挙げられています。

 その「非軍事的」な方法の中には、「宗教的寛容の推進」や「戦争の歴史についての教育(宗門における戦争協力の歴史への反省もこれに含まれる)」といった私たちにも深くかかわることも取り上げられています。
 前者の「宗教的寛容」の内容は明確なものではありませんが、現在でも宗教を理由にした戦争が行われていること、政治的な対立が宗教対立の形をとっている、あるいは逆に宗教的な相克が国家間の戦争の原因になっている、ことを克服するということを課題にしたものではないかと思います。

 先日、このブログに次のようなコメントをいただきました。

 「仏教的価値観については異議はありませんし、素晴らしいものだと思います。
しかし、それに基づいて社会を構築しようとする所に、摩擦が生じるのではないでしょうか。
人間の価値観は様々です。
多種多様の世界観が、共生できる道を探る社会を構築することこそが、今求められていて、人類が生き延びる道なのではないかと思います。」

 この方が危惧されていることも「宗教的寛容」の問題と通じるところがあるように思います。
 一つの宗教や思想が社会を規制(構築)することになった場合に、これがその社会の中の他の人びとを、あるいは他国の人びとを圧迫する要因になることはないのかという問題です。戦前の国家神道の姿が思い浮かべられます。その時に「他の人びと」であった私たちの宗門のあり方が、「戦争の歴史についての教育」という形で戦争を回避する方策として取り上げられた所以のように思えます。

 ISの姿は、宗教に基づいて(宗教を前面に押し出して)社会を構築しようとするもっとも鋭利な形で現れた現象のように見えます。ISの姿を見ていますと、宗教が社会を統治し規制する手段(とされることが)であってはならないのではないかとの思いを強くします。
 政治は政治固有の論理で動くものでなければならないでしょうし、国際政治もそうです。経済も科学もそれぞれの積み上げられた固有の論理で展開されることが必要でありもっとも効率的だと思われます。
 ただ、それらの論理が暴走することがあるかもしれません。その最大のものが戦争でしょうか、暴力的な圧制、経済格差の拡大、非人間的な兵器、深刻な環境破壊などが生み出されることもあります。

 このような場合には、それぞれの固有の論理ではそれをとどめることはできないかもしれません。
 このような時に、宗教が大切な役割を果たし得るのではないかと考えています。
 「寛容でありながら、暴走をとどめる力」というものが私たちに期待されているところではないでしょうか。

(写真は、前回の「論点整理」に続いてロウバイです。左は奈良県の「石光寺」、右は神戸市の「須磨離宮公園」で撮影しました。)
 こちらは前回のロウバイに対してソシンロウバイという名前を持っています。漢字で書くと「素心蝋梅」。
 前回のロウバイは黄色の周辺部分に対して中央部分が紫褐色をしていましたが、こちらは中央部分も黄色です。そんなところから「素心」とつけられたのだそうです。こちらの方が前回のロウバイの変種だということです。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください。)
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