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174.ご紹介します(9):「人生は価値ある一瞬」

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 今日は、「人生は価値ある一瞬(ひととき)」というご本をご紹介します。
 このご本は、即如前ご門主がお書きになったもので、今年の10月1日に(株)PHP研究所から刊行されました。

 内容は、約60の文章が次の6つの章に分かれて掲載されているものです。

  1章「こころ安らかに生きるために」
  2章「素直に生きるために」
  3章「幸せに生きるために」
  4章「元気に生きるために」
  5章「手を携えて生きるために」
  6章「困難に負けずに生きるために」

  帯に「不安や迷いは当たり前。背伸びせずに毎日を精いっぱい生きればいい。」とありますように、読後には肩の荷が軽くなったような感覚を持つことができました。

 それぞれの文章の中では、「生老病死」「愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦」という私たちの根源的な苦が、現在の社会環境の中でどのような形で私たちの前に現れてくるのかということが示されます。
 それは生老病死そのものであり、物質的、社会的な不満であり、物事が自分の思い通りにならない不満であり、信頼に対する裏切りであり、争いであり、不安という形で私たちの目の前に現れます。

 そのような苦に直面したときに私たちは、自信喪失に陥ったり、諦めたり、自己正当化したり、相手を攻撃したりと様々な行動をとります。しかし、私たちが直面する「苦」は私たちが人間としてこの世に生きている限り逃れることができない根源的な苦ですから、これらの対応は本当の解決にはならないと、示されます。

 私たちは、たくさんの方々からご縁をいただき、また多くの方に支えられて今ここにいます。私たちが生きている瞬間はかけがえのない大切なものです。このように私たちの存在は大切なもので、また同じように私たちの周りの人々も大切な存在だということを認めることが基本になければならないと改めて思いました。
 印象に残っている2つの文章をご紹介します。

 「迷惑をかける」
 「家族に迷惑をかけて申し訳ない。何もできず、何の役にもたたないのだから、早く死にたい」と病を得た自分を責めておられる方についての文章がありました。前ご門主は、「家族という小さな社会においてさえ、誰にも迷惑をかけずに生きることは根本的にできません。」と私たちはこの世に生まれて以来ずっと迷惑をかけてきた存在だと言われ、時としてその「迷惑」をかけてきた人生はたくさんの思い出が詰まった大切なものでもあると言われます。
 「もしこころから周囲に迷惑をかけて申し訳なかったと思うのであれば、その気持ちを率直に表現すればよいのです。」「ありがとうと素直に言って世話に」なることも大事だと書かれています。
 ご門徒さんにも、高齢のご家族を介護されているご家庭が多くあります。この前ご門主の言葉は力強いお言葉だと感じました。

 「『自分探し』に惑わされない」
 前ご門主は「自分探し」という言葉には「『今の自分は本当の自分ではない』という焦りに似た思いと、『どこかにもっと素晴らしい本当の自分があるはずだ』という願望が込められているのではないかと思います。」と書かれています。
 実は、私もこの「自分探し」という言葉(サッカーの中田英寿選手が使ってからはやりだしたのでしょうか?)になんとなく気持ちの悪い違和感を覚えていました。中田選手の言葉がその後に独り歩きしているのかもしれませんが、するりと逃げていくというような感じがありました。
 前ご門主は「探して見つかるような『自分』が、今の自分のほかにあるのでしょうか。『自分』とは、何かに取り組んで成長し、人生を充実させていく過程そのものだと思います」と書かれています。「『自分』などというのは常に流動的で、今の自分はこうだと言えても、次の日はまた違った面が出て来てもおかしくありません。」と、今の自分を不変固定と考えて、それとは別の自分を求めることの問題を言われているのだと思いました。

 ご一読をお勧めします。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください)
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