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95.お正信偈を読む(15):依経段(11)


20150223釈迦誕生像

 「お正信偈を読む」は「釈迦讃」の2回目になります。

「御文」五濁悪時群生海 応信如来如実言 (ごじょくあくじぐんじょうかい おうしんにょらいにょじつごん)
「訓読」五濁(ごじょく)悪時(あくじ)の群生海(ぐんじょうかい)、如来如実(にょじつ)の言(みこと)を信ずべし。
「訳文」五濁の世の人々は、釈尊のまことの教えを信じるがよい。

 親鸞聖人は、時代は「五濁悪時」だといわれています。『浄土真宗辞典』を見ますと、この五濁とは「悪世においてあらわれる避けがたい5種のけがれのこと」とされ、次の5つがあげてあります。
 劫濁(こうじょく) 時代のけがれ。飢饉や疫病、戦争などの社会悪が増大すること
 見濁(けんじょく) 思想の乱れ。邪悪な思想、見解がはびこること
 煩悩濁(ぼんのうじょく) 貪欲・瞋恚・愚痴(むさぼり、いかり、おろかさ)などの煩悩が盛んになること
 衆生濁(しゅじょうじょく) 衆生の資質が低下し、十悪をほしいままにすること
 命濁(みょうじょく) 衆生の寿命が次第に短くなること

 よく「末法の世」などという言葉をお聞きします。お釈迦さまがなくなられてから後の時代に仏教が衰微していく様を表すのに「正像末」(正法、像法、末法)の3つの時代で表現されてきました。
 「正法」は教(仏の教法)と行(実践)と証(さとり)の三つがすべて備わっている時代
 「像法」は教と行の二つは存しているが証のない時代
 「末法」は教だけがあって、行と証のない時代
 とされて、正法の時代は500年(1000年とも)、像法の時代は1000年、末法の時代は10000年とされています。
 日本では正法、像法を各1000年として、西暦1052年が末法の始まる年だとされていたようです。この時期は平安時代の後期に当たり政治体制が崩壊を始めた不安定な時代、それに加えて飢饉や天災、疫病などが多発してまさに末法の世の到来を実感した時代だと伝えられています。

 このような五濁のはびこる末法の世で、親鸞聖人がお釈迦さまの説かれたみ教えを信じるように呼びかけられたのがこの2句ということになります。
 そして忘れてはならないのは、聖人が呼びかけられた相手は当時の衆生だけではなく、現代に生きる私たちでもあるということです。考えてみますと、「五濁」は、現代において当時よりもさらに根深く動かしがたく時代の中に広まり、はびこっていると思われるからです。
 「群生海」という言葉は、一切の衆生を海にたとえられたお言葉です。

(写真は、お釈迦さまがお生まれになった様子を形どった「誕生仏」です。)
 東大寺蔵のもので、画像はウイキペディアからお借りしています。

(このブログは毎週2回、月曜日と金曜日に新しい記事を載せる予定ですので、また覗いてみてください) 
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